地域で育む発達支援

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社会福祉士 代表取締役 長谷川 剛

日本は 2025 年を目標として地域包括ケアの構築を進めています。これは、高齢者だけでなく、障害者児も含めて援助を必要とする人が概ね 30 分以内に必要な医療や介護のケアを受けることができる仕組みで、地域の特性や風土によってその体制やサービス内容は異なります。

地域包括ケアを構築するためには、2種類の連携が必要だと考えています。1つめは、ご近所や住民、ボランティアやNPO、民生委員や町内会などが連携して地域の高齢者や障害者児を支援するつながりです。2つめは、医療や介護、障害福祉の専門機関や専門職、大学など研究機関の連携で、専門的な技術と知識をもって地域の高齢者や障害者児を支援するつながりです。そして、この2つのつながりもまたお互いに連携して、相互補完、相乗効果を創出します。

放課後等デイサービスは、発達支援の専門技術と知識をもって障害児の発達を支援する専門機関です。私たちは、放課後等デイサービスでの支援を、その場だけの支援とは考えず、お子様の社会の中でのつながりのひとつととらえ、保護者様をはじめ、学校や相談支援事業所、医療機関や放課後児童クラブなどと連携してお子様を支援します。学校や他の機関で受けている支援と放課後等デイサービスで行われる支援の方向性を一致させることで、お子様が混乱せず安心して支援を受けられる仕組みを整えます。

発達支援は未来への支援

お子様が放課後等デイサービスで過ごす時間は、お子様の人生においては通過点に過ぎません。しかし、学校やご家庭とは違った空間でお友達や社会と関わったり、将来に向けての訓練や準備ができる大切な時間となることも確かです。そして、お子様が健やかに発達するためには保護者様も心身ともに健やかである必要があり、放課後等デイサービスはそのバックアップもさせていただきます。

私たちの放課後等デイサービスでの発達支援は、すべてのお子様の将来の夢や希望、自立した社会生活を目標としたものです。お子様のストレングス(特性や強み)を活かし、社会のなかでいきいきと輝いて生きる自己選択と自己決定の人生を支援するとともに、社会のなかで葛藤や人との関わりの難しさを感じながら、それを乗り越えて成長していく姿を見守ることができることは、私たちの何よりの幸せです。

昨今、「障がい者児」「障がいを持つ」などの表現を用いるケースが多く見られ、その意図や配慮を尊重しておりますが、当ホームページや当社印刷物などにおいては、放課後等デイサービスが発達障害の専門機関であることから、厚生労働省や医療・障害福祉分野で用いられる「障害者児」という表記をしておりますことをご了承願います。

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経歴・プロフィール

高校卒業後に渡米して2年間、小さな町のコミュニティカレッジ(Snow College)で過ごし、地域に開かれた教育に触れる。その後、総合大学(University of Utah)に編入学して経済学学士号を取得。帰国後はIT、美容、介護福祉に関連する複数の一般企業経験を経て、2009年に特定非営利活動法人(NPO)日本ホリスケア協会を設立し、介護福祉と美容の資格スクール「ホリスケアアカデミー(https://academy.holiscare.or.jp/)」を開校。2011年に株式会社ベルアージュを設立して現在に至る。

最近では、日本福祉大学の通信課程で相談援助技術や福祉経営について再度学び直し、2015年に社会福祉士国家資格を取得。その後、広島大学大学院社会科学研究科で地域政策、公共経営、社会調査法、社会行動データ解析などを履修し、地域包括ケアにおける連携に関する実証研究で修士号を取得した。地域におけるインフォーマル組織(ボランティアやNPO、住民など)と専門機関、専門職の連携による障害者児と高齢者の自立支援、そして、支援の担い手の発掘と教育、そして新たな社会資源の創出をライフワークとしている。